感染性胃腸炎
(2019年6月 ウイルス性胃腸炎のブログも参考にしてください)
感染性胃腸炎が流行しています。一般的には、嘔吐下痢症もしくはおなかの風邪と呼ばれることがあります。感染性胃腸炎の原因として有名なものにノロウイルスがあります。ノロウイルスはとてもありふれたウイルスです。多くの子どもや大人が感染しますが、よくあるおなかの風邪ですので、適切な対処をすれば重症になることはほとんどありません。
典型的な経過ですが、高熱はあまりありません。初め何回か嘔吐しますが、半日以上続くことは少ないです。このあと下痢が出現しますが、下痢が続く期間には個人差があります。
嘔吐しているときは、薬や水分を摂取しないようにしましょう。当院では少なくとも1時間嘔吐が止まるまでは、経口摂取しないように説明しています。1時間嘔吐が止まったら、経口補水液を5分に1回スプーンに一杯与えていきます。嘔吐しないように少しずつ摂取していきましょう。嘔吐がなくなったら量を増やしていきます。
当院ではノロウイルスの便検査を行っていません。ノロウイルスは感染していても検査で反応が出ないことがよくあります。逆に症状が出ていない方でも反応が出ることがあります。ノロウイルスの検査では、感染していないことを証明できないと考えています。
嘔吐が治まり、下痢が続くときは食事療法を行います。以前は下痢の時には、便と同じくらいの固さのものを食べさせましょうと説明している時代がありました。最近の研究では、胃腸炎のときに食事療法はあまり意味がないとされています。当院でも、下痢が続くときは牛乳と脂肪分の多いもののみは避けるように説明しています。