原因不明の咳が長引いている方は注意が必要

百日咳の感染者数が多くなっています。小中学生から大人の方で、乾いた咳がひどくなってきた、発熱はない、咳が止まらない、夜眠れない、2週間以上続くなどあれば、ご相談ください。

百日咳は咳発作を特徴とする急性呼吸器感染症です。乳児期早期に感染すると命に係わる疾患です。百日咳はワクチンで予防できるので、赤ちゃんは生後2か月になったらできるだけ早くワクチンを開始しましょう。

百日咳を含むワクチンは、日本では生後2、3、4か月と1歳を過ぎてからの計4回接種を行います。ワクチンを接種している乳児や幼児は感染することはほぼありませんが、免疫効果は4~12年で減ってくるので免疫が落ちてきた小学生くらいから百日咳に罹患する方がみられています。

海外では妊娠中の母が出産前(妊娠27~36週)に百日咳をふくむ三種混合ワクチンを接種することが推奨されています。妊婦に接種すると、ワクチンデビュー前の赤ちゃんの百日咳感染を予防する効果があります。赤ちゃんが生まれてくるご家庭では、母だけでなく、父や兄姉も免疫をつけておくことが重要です。

妊娠中の母に対してワクチンを接種し、経胎盤で胎児に免疫をつけることは、百日咳だけでなく、RSウイルスでも進んでいます。詳しくはかかりつけの産科にてご相談ください。

当院では小学校入学前に、MRとおたふくワクチンだけでなく、三種混合ワクチンとポリオワクチンの接種を行っています。費用は掛かりますが、重要なワクチンですので、ぜひご相談ください。