現在流行している発熱の疾患について

インフルエンザウイルス・ライノウイルス感染症・アデノウイルス感染症・溶連菌感染症など

現在外来ではいろいろな感染症が流行しています。発熱の方には希望を聞いたうえで、インフルエンザと新型コロナの抗原検査を行っています。39℃以上の高熱が出ている方で検査をすると、2-3割程度がインフルエンザA型のお子さんです。あいだをあけずに、インフルエンザA型に2回かかる方も、ちらほらおられます。全国的にB型インフルエンザも流行しはじめたようです。新型コロナの流行は落ち着いています。ただし、これからもコロナはなくなることはなく、周期的に流行するものと思われます。

発熱と咳嗽が続く感染症も今年の春~夏、さらに秋になっても流行しています。ライノ、パラインフルエンザなどです。これらのウイルスは抗原検査がなく、外来で調べることはできません。ウイルスの種類で治療が変わることはないので、肺炎や二次感染をおこしていないかどうかを注意して経過をみていきます。発熱が5日以上続く方も多く、喘息様になるお子さんもおられます。

アデノウイルス感染症も流行しています。咽頭結膜熱(プール熱)、流行性角結膜炎(アデノ結膜炎)、発熱のみのアデノ咽頭炎など、外来で散見されます。おそらくこの数十年でもっとも流行しているのではないでしょうか。現在、アデノウイルス検査キットがないため、検査することができません。みなさまには大変ご迷惑をおかけしています。

溶連菌感染症も流行しています。

溶連菌感染症 – はなだこどもクリニックブログ (hanada-ohisama.com)

幼稚園年長から小学生で散発的に流行しています。発熱したが、咳嗽がなく、皮疹があるお子さんで、溶連菌感染の方がおられます。溶連菌は基本の抗菌薬(ペニシリン系)を10日間内服するのが根拠のある治療なのですが、現在基本の抗菌薬がないため、普通の抗菌薬を5日間処方している状況です。

内服薬と検査キットが手に入りにくい状況はしばらく続くことが予想されています。また外来診察は発熱の方で予約がいっぱいな状況が続きます。ご迷惑をおかけいたしますが、クリニックでできる可能な限りの診察をこれからも行ってまいります。