溶連菌感染症

溶連菌感染症が流行しています。溶連菌感染症とは、A群β溶連連鎖球菌という細菌によっておこる感染症です。年齢は3歳から小学生くらいまでに多く見られます。症状は発熱と咽頭痛が著明で、腹痛や吐き気などの消化器症状、皮疹、イチゴ舌(舌にイチゴのようなぶつぶつができる)などがあります。咳がないことが特徴です。

溶連菌はのどの奥を綿棒でぬぐうと検査ができます。しかし溶連菌は常在菌といって、どこにでもいる菌の一つですので、発熱や咽頭発赤がないのに検査をする意味はありません。

 

咽頭炎の時、ウイルスなのか溶連菌なのかを判別には①~④が重要です。

  • 扁桃腺の白苔・浸出液(扁桃腺に膿がついている)
  • 前頸部の有痛性リンパ節腫脹(首のリンパ節が腫れている)
  • 38℃以上の発熱
  • 咳がない

 

溶連菌感染症は抗菌薬を内服するとすぐに治る疾患です。リウマチ熱(心臓に菌の塊ができてしまう)の予防が大切とされています。適切な抗菌薬をしっかりと内服すると完全に予防できます。

当クリニックでは年齢や診察所見を判断して、検査を行うように心がけています。特徴的な所見がなければ3歳未満に検査をする意味がないことが知られています。3歳未満での溶連菌検査は、必要なとき以外には行わないように心がけています。