離乳食と口まわりのスキンケアについて

 乳幼児にとってスキンケアが重要であることを、当クリニックではワクチンデビュー時から丁寧に説明しています。赤ちゃんの皮膚は、乾燥しやすいこと、また環境の中(例えば料理をしたご両親の手やほこりの中など)には、食物のたんぱく質がたくさん含まれており、それが湿疹の刺激になることが最近わかっています。

 とくに口まわりは、食べ物の刺激を受けやすい場所です。赤ちゃんはまわりにあるものをどんどん手で集めて口元に持って行っています。口周囲があれていると、そこから食物のたんぱく質成分が皮膚の中に入ってきて、皮膚の下にいる免疫の細胞が働くことが、食物アレルギーの機序のひとつと考えられています。

 離乳食を食べるときは、口周囲にワセリンなどの保湿薬を塗りましょう。離乳食からの刺激を守ってくれる効果があります。口周囲があれている場合は、寝入った後に、副腎皮質ステロイド薬外用の弱いもの(アルメタ、ロコイド、キンダーベート等があります)を、塗りましょう。軟膏を使用するときは、べったりとのせるように塗ることがポイントです。うっすら塗ると、効果が得られないだけでなく、改善しないため長期間にわたって使用することにもなります。

 赤ちゃんのお肌は皮膚のバリア機能が弱いので、保湿薬を使用してスキンケアを行い、トラブルを予防していきましょう。