PETIT スタディについて

はなだこどもクリニックが開院して5年目となりました。小医はアレルギー専門医ではないのですが、小児アレルギーについての新しい知見は必ず勉強するようにこころがけています。

当院では開院した当初から生まれた赤ちゃんの皮膚をきれいに保つことと、食物のアレルギーについては食べる前から血液検査はせずに少しずつなんでも食べていきましょうと説明しています。今更ながらですが、まとめていこうと思います。

今回はタイトルにあるPETITスタディという研究についてです。これは皮膚に湿疹がある赤ちゃんに対して、保湿薬とステロイド外用を行って皮膚をきれいに保ったうえで、①生後6か月から十分に加熱したゆで卵の粉末0.2gを与えたグループと、②野菜の粉末を同量与えた(鶏卵をゆっくりはじめた)グループを比較しています。1歳の時に調べてみると、鶏卵をゆっくりはじめたグループでは61人中23人に鶏卵のアレルギーがありましたが(37.7%)、ゆで卵の粉末を6か月からごく少量ずつ摂取していたグループでは60人中5人となり(8.0%)、早期から少量ずつ鶏卵を与えていたほうが、鶏卵アレルギーの8割以上予防効果があることが報告されています。

以前は、お母さんの妊娠中や授乳中は鶏卵を摂取しないのがよいとか、離乳食の鶏卵の開始は遅らせるのがよい、といったことが言われてきました。食物アレルギーの現在の考え方は、離乳食の開始は遅らせるのではなく、適切な時期に(早めに)少量ずつ食べていくことが大事ということです。PETITスタディでは生後6か月から少量ずつ加熱した鶏卵を摂食している群が鶏卵の食物アレルギーを減らせるという結果でした。