令和4年3月から、5歳から11歳のお子さんの新型コロナウイルスワクチン接種が始まります。希望される方は当院にて接種を行います。
おそらく現時点で、健康なお子さんに接種したいと考えている親御さんは少ないかと思いますが、どのように判断したらよいかと迷っておられる方は多いと思います。健康なお子さんに接種したほうがよいかどうかは、現時点では正解はありません。メリットとデメリットを比較検討して、決定していただければと思います。
まず5歳から11歳のワクチンはファイザー社のものを使用します。量は12歳以上の1/3の成分量を、3週間あけて2回接種します。受けた後に出る症状として、注射した部位の痛み、発赤、腫脹、発熱、関節痛などは成人と同様と考えます。若い男性では、一定の頻度で心筋炎の発生が報告されていますので、注意が必要です。長期的な副作用は不明です。
現時点では、特に重症化リスクの高い基礎疾患（慢性呼吸器疾患や先天性疾患など）を有する小児に対して接種が推奨されています。当院では健康な5-11歳のお子さんには積極的な接種は推奨していません。
そもそも重症化することが少ない子どもたちへの（本邦にて現時点で10歳未満のお子さんの死亡例はありません。）、接種について議論することはとても難しいことです。感染した場合の他者へのリスクの増加や感染した場合の大変さなどを総合的に検討して、接種するかどうかを判断していただければと思います。