日本小児科学会から、小児のコロナウイルス感染症2019(COVID-19)に関する医学的知見の現状がまとめられています。

C0020501_図表1.png (960×600) (covid19-jma-medical-expert-meeting.jp)

 

小児の新型コロナウイルス感染症に関する医学的知見の現状|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY (jpeds.or.jp)

こどもの感染者の数、症状、検査、治療、赤ちゃんや妊婦についてなどわかりやすくまとめられています。この中にCOVID-19流行期のこどもの心と体に与える影響についても記載があります。

・学校や保育施設において小児が感染源となったクラスターの報告は少なく、学校閉鎖、子ども、若者の隔離は流行阻止効果に乏しいと推測されること。

・学校閉鎖は、子どもの教育の機会がなくなること、野外活動や社会的交流が減少するため、抑うつ傾向に陥らせる可能性があること。親子ともにストレスが多くなっていること。

・乳幼児健診の受診率の低下が、子どもの心身の異常を早期に発見することを妨げていること。

・予防接種の機会を失う小児が増えており、世界では顕著となっていること。

などが書かれています。子どもでは、COVID-19の直接の健康被害より、流行による考え方や社会の変化によって関連する健康被害のほうが大きくなる可能性が示唆されています。大人はソーシャルディスタンスなどの感染予防措置を引き続きこころがけ、こどもたちにとっては心身に大きな影響を及ぼしていることをこころがけながら、これからも診察にあたっていきたいと考えています。